中上健次の晩年の作「軽蔑(けいべつ)」
朝日新聞朝刊に1991年2月13日から10月17日まで連載。夜の街で欲望のまま生きるカズと歌舞伎町でダンサーとして生きる真知子。「相思相愛 男と女は五分と五分」―二人は恋におち、カズの故郷に舞い戻る。しかし、愛すれば愛するほど、運命は二人を隔ててゆく。それが、季節の花々の描写とともに同時進行してゆく。カズの故郷は新宮と限定されてはいないが、作者の故郷で撮影された。新聞連載時には、毎回、眼だけを描く合田佐和子の挿絵も注目された。

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