「出合(であい)」の地名
写)明治期の出合の風景

熊野川が上流にかけて、北山川と十津川に分岐する辺り、ふたつの川が出合うところから名づけられた地名。現在では「宮井(みやい)」の地名が一般的だが、宮井も「水合(みずあい)」から生まれたともされる。冬季にかかる濃い霧の風景は「出合」の風物詩。川底地下には、宮井炭鉱や松沢炭鉱から続く石炭層が見られた。 昭和30年代に国道168号が開通するまでは、新宮からの陸路はここで途絶え、奥地へは団平船など水運にのみ任せられた。出合を見下ろす小高い山に、おそらく砦(とりで)であろう、宮井城があったと伝えられている。

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