下村悦夫(しもむらえつお)の口述筆記作品
写)下村悦夫・木美枝夫妻

佐藤春夫らと同じように文学的な出発をした下村悦夫は、1917(大正6)年講談読み本作家「紀潮雀(きのちょうじゃく)」として文壇に登場。雑誌「キング」なども創刊され、大衆作家下村悦夫として、活躍した。代表作となる「悲願千人斬(ひがんせんにんぎり)」は当初は新宮で、口述筆記のかたちで連載が始まったと言う。矢倉町在住の頃は、妻木美枝や榎本文太郎らが筆記に当たった。大衆文学の出発期を牽引する働きをし、幾つかの作品が映画化、演劇化されている。1929(昭和4)発表の「人語鳥大秘記」では、水野土佐守忠央が登場する。

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