春夫の「筆塚(ふでづか)」
ここより山側に50メートルほど行った右奥、新宮市民会館玄関の右側に、佐藤春夫の「筆塚(ふでづか)」が立っている。城跡を背に、高さ150センチの石柱に、那智黒石がはめ込まれ、無二の親友で詩人の堀口大学(ほりぐち・だいがく)の揮毫(きごう)で「佐藤春夫筆塚」と書かれている。石の中には、春夫が愛用した毛筆とモンブランの万年筆とが納められている。1966(昭和41)年6月の除幕式には、大学も初めて新宮を訪れている。毎年、11月3日の文化の日には、市内の高校生も参加して「筆供養(ふでくよう)」が営まれている。

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