近畿大学短期大学部

春夫の父豊太郎の熊野病院は、人手に渡った後、建物はほぼ元のまま、戦後「近畿大学短期大学部第二商経科新宮分校」として活用されていた。材木屋の小僧時代から苦学力行して日本大学第二部を卒業した、熊野川町西敷屋（しきや）出身の世耕弘一（せこう・こういち・１８９３－１９６５・現新宮市）は、近畿大学総長となってからも、郷里の勤労学徒への思いが厚く、彼らの前途を考えて「近畿大学新宮商経専門学校」を緑丘中学校の校舎で開校、のちここに移転。昭和30年昇格して「近畿大学短期大学部第二商経科新宮分校」と改称、地元で活躍する幾多の人材を育てた。