熊野古道「高野坂(こうやざか)」入口
南側、王子ケ浜が切れる辺り、熊野参詣道としての「高野坂」入口である。中世までの参詣道は「浜王子」を経てここに至ったと言うが、近世には城下町が発展し城下を南下、広角(ひろつの)で「逆川(さかさがわ)」を渡り、御手洗(みたらい)海岸の台地を越えた。往時の面影を残す石碑や石畳(いしだたみ)の道も残っている。平安時代の貴族・藤原宗忠(むねただ)は「中右記(ちゅうゆうき)」のなかで、1109(天仁2)年秋、この道を通り、王子ケ浜景観の素晴らしさを書き留めている。


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