天狗(てんぐ)の松
中上作品「奇蹟(きせき)」のなかの一編のタイトルに採られている「天狗の松」。臥龍山(がりゅうさん)の一角にあった、鴉天狗(からすてんぐ)が舞い降りるとされた大きな松。「路地の裏山の一等端の頂上にある大人の腕で二かかえほどの太い幹の松」で、その一本松の根方(ねかた)につくられたけもの道のような細い道が、かっての「路地と城下町を繋(つな)ぐ」唯一の道。

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