御船(みふね)祭り
写)神幸船

毎年、10月15日、16日行われる熊野速玉大社の例大祭、その呼び物は熊野川での9隻の早舟競漕(きょうそう)。熊野川原や堤防は格好(かっこう)の見物場となる。 熊野速玉大社を出た神輿(みこし)は熊野川原で神霊が神幸船(しんこうせん)に遷(うつ)される。対岸の三重県鵜殿(うどの)村(現・紀宝町)から諸手舟(もろたぶね)と呼ばれる船が到着。舟では赤衣に黒帯、黒襷(くろだすき)の女装した踊り手が「ハリハリセー、ハリハリセー」と叫びながら櫂(かい)を手にハリハリ踊りを披露する。神幸船を諸手舟が引き、御船島(みふねじま)に向かって遡(さかのぼ)る、水上渡御が祭りのメイン。 祭りの場は、御船島であり、乙基(おとも)にある御旅所(おたびしょ)であるが、2011年9月の台風禍により、両所は甚大な被害を受けた。それで、その年の御船祭りは、早舟競漕を取りやめ、早舟は整然と神幸船を先導し、厳粛(げんしゅく)な中で行われた。

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