蓬莱山出土の御正体(みしょうたい)
「懸仏(かけぼとけ)」ともいわれる「御正体」は、神仏習合の中で生れたもので、円板形の中央に半肉の仏像を取り付け、神殿や仏殿の随所に吊下げたもの。神の憑代(よりしろ)である鏡面に、本地の仏が正体を現すという意味で、鎌倉時代から室町時代にかけて最盛。 蓬莱山出土の御正体は、昭和34年9月の伊勢湾台風の際、倒木の根元で一部が出土、確認調査の結果、その遺構が発見され、総数約200面にも及んだ。大威徳明王の御正体が多く出土したことから、阿須賀神社が熊野三山とともに推移し、その本地仏が大威徳明王であることが実証された。

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