奥栄一(おくえいいち)のこと
奥栄一(号愁羊・1891-1969)は、佐藤春夫や下村悦夫と、第二期「はまゆう」に参加、詩や和歌を発表。生家は龍鼓橋の付近、「おくまる」といううどん屋。その隣に「龍鼓床」という散髪屋。 栄一は新宮中学では、春夫と同じように落第を体験。上京して、新宮の関係者と「民衆の芸術」創刊に係わり、評論や翻訳で活動。堺利彦の「売文社(ばいぶんしゃ)」にも関与。社会問題にも関心が深く、女性運動家和田むめおと結婚。長女紀伊が新宮で生れている。やがて離婚しているが、むめおはずっと奥姓で通している。栄一は終生春夫との交友を続けている。

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