当地の名物となるプロペラ船
写)プロペラ船

川底が浅くしかも急流の熊野川は、船底にスクリューを装填(そうてん)することが難しく、船尾の床上に羽根型のプロペラを取り付けたプロペラ船が就航し始めるのが、大正期の中ごろ。山々に轟音(ごうおん)がこだました。十津川村折立(おりたち)と瀞八丁(どろはっちょう)への運航も開始され、定期便と共に、熊野が国立公園に指定されたりするなかで、次第に観光船の要素も強めてゆく。しかし、会社間の競争も熾烈(しれつ)で、トラブルも多く、爆破事件なども起こしている。戦後しばらくして、観光用ウォータージェット船に変貌(へんぼう)を遂(と)げた。

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