新聞型雑誌「サンセット」
写)「サンセット」創刊号、中央は西村伊作画

編集人は沖野岩三郎、発行兼印刷人は沖野ハル、発行所は和歌山県新宮町百五十八番地の落陽社。沖野夫妻の名が出る「サンセット」は、「落日」の意。新聞紙半截(はんせつ)版の小冊子八頁。明治43年2月15日に第1号を出し、6月に第5号で幕を閉じる。同志大石誠之助の拘禁が因である。だから、沖野、大石の共同で生れた雑誌。中央から木下尚江(きのしたなおえ)や与謝野寛(よさのひろし)が投稿、地元からも大石や沖野、それに西村伊作が毎号に挿絵(さしえ)を描いている。堺利彦がやがて出す「へちまの花」を思わせ、平民新聞や明星の流れに通ずるとの評価も。

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