志古の炭鉱
写)志古の炭鉱風景

熊野川町(現新宮市)日足(ひたり)の志古から志古谷川をさかのぼったところに位置するのが志古炭鉱。いまでも、石炭集積場の遺稿が残る。付近の諸炭鉱を総称して「熊野炭田」と呼ばれ、良質の無煙炭を産出。熊野川を船で運んで、新宮から各地に運ばれたから、各炭鉱は新宮の池田港辺に事務所を構えていた。 戦後まで操業を続けていたのは、志古のほか、松沢、尾頭(おがしら)、宮井(みやい)、薬師(やくし・三重県紀和町・現熊野市)の5炭鉱で、熊野炭田の最盛期は、むしろ石炭統制が実施されていた敗戦前後、昭和20年には、従業員2千数百名、月産約1万トンを産出したという。

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