少年時代の春夫にとっては、思索の場
昭和10年代末中国で刊行されていた雑誌に寄稿したと思われる春夫の文「徐福さまは幼なじみの事」という文章がある。そこに、以下のようにある。 「自分がはじめて徐福さまへお詣りして、徐福さまとは何であるかを知つたのは、かれこれ四十二三年前、自分の九つか十ぐらゐの頃の事でもあつたらうか。あまり遠いところへは行かないといふ約束で父に散歩を誘はれるままについて行つたのがここであつた。その時の散歩が子供心に深い印象を残してゐて、徐福を思ふにつけ、幼少時代を回顧するにつけ今は亡き父の面影とともにあの日がなつかしまれる。」

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