架空の「天地(てんち)の辻(つじ)」
写)現在も残る山頂のオリュウノオバの家に通じる小路、「天地の辻」

中上健次は「紀伊物語」で、「路地を張りめぐらす小さな道を束ねるようにして出来た三叉路(さんさろ)の中心で別名天地の辻と呼ばれるソノノイネの営む駄菓子屋(だがしや)の脇」と表現されている、「天地の辻」。実名ではなく、中上作品にのみ登場する地名。噂(うわさ)の吹き溜まる場所として設定。この辻の後ろが集会所(青年会館・現人権センター)で、すぐ横の駄菓子屋は三叉路の突き当り。そこから、裏山に通ずる細い山道に通じ、中腹にオリュウノオバの家があった。

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