筒井八百珠(つついやおじゅ)のこと
写)筒井八百珠

筒井八百珠(1863-1921)は、新宮仲之町の生まれ。筒井家は新宮藩の剣道指南の家柄、新宮病院隣りに屋敷を構えていた。三重県医学校から東京帝国大学医科大学を卒業、千葉医学専門学校を経てドイツ留学。その著「臨床医典」は、当時の医学生の必読の書。筒井が千葉にいた頃、新宮の裕福(ゆうふく)な木材商らが東京深川の木場に支店を多く出していた。それらの人々に総合病院の設立の要を説いて、医師派遣の手配などを行った。1913(大正2)年岡山医学専門学校の第2代校長に任ぜられ、その後岡山大学医学部創設に尽力。絶えず郷土の人々を思いやり、よく面倒をみて、病人の保証人も買って出たと言う。「鳩ポッポ」の作詞者東くめは、筒井の姉琴世(ことよ)の長女。

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