2階の和室座敷
当初、ここは母・千代とともに同居していた谷崎鮎子(あゆこ)がよく使っていたといわれる部屋。鮎子はのちに春夫の甥で慶應大教授になる竹田龍児(たけだりゅうじ)と結婚し、やがて佐藤邸のすぐそばに住むことになる。常設展では、東京・西武百貨店での春夫一周忌展の写真と、その時に寄せられた門弟の代表者安岡章太郎(やすおかしょうたろう)ら9人のメッセージの直筆を展示。メッセージはそれぞれの個性から、師・春夫の人となりを実によくつかみ、表現してくれている。また、それから奥の方に(西洋画の)ポスターをガラスにはめた障子がある。まるで、ステンドグラスのようであるが、このポスターは弟・秋雄がヨーロッパから持ち帰ったもの。春夫はこうして亡き弟を偲んでいた。天井は屋久杉使用の立派なもの。

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