「雑俳(ざっぱい)」流行の風土であり、食文化への影響
「雑排」とは、狂歌、都々逸(どどいつ)、川柳(せんりゅう)などのこと。短歌や発句(ほっく)などの正当なものに対し、穿(うが)ちや滑稽(こっけい)を生命とした。七七七五の形式の「都々逸」は明治時代に「情歌(じょうか)」とも言われるようになり、大石誠之助は「情歌」の宗匠(そうしょう・大先生)にもなっていて、「紀伊升連(しょうれん)」という結社は、全国的に押しも押されぬ実力を発揮した。 食の世界では、ニギリはいまでも江戸寿司の名、正月の雑煮(ぞうに)は、江戸風の醤油味、鰻料理や秋刀魚の開き方なども江戸風を留めている。

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