上田秋成・「蛇性(じゃせい)の婬(いん)」への「おいの伝説」の取り込み
上田秋成(うえだ・あきなり)の「雨月物語(うげつものがたり)」巻4の「蛇性(じゃせい)の婬(いん)」には、浮島に語り伝えられる「おいの伝説」が取り込まれていると言われている。しかし、それらしき場面は、作品にはいっさい登場しない。藺ノ沢(いのど)と呼ばれたこの辺りは大きな沼で、「紀伊続風土記」には「島にて踊躍(ようやく)すれば、地動きて響(ひびき)あり。神倉聖(かみくらひじり)の行所(ぎょうしょ)なり」とある。


戻る