春夫、初恋の人(大前俊子・おおまえ・としこ)との出会い
写)春夫が恋した頃の俊子

春夫の初恋の人の名は「大前俊子」、母が経営する陶器店の娘。父は新宮に貯木場を作ったり、実業家、政治家として活躍していたが、俊子がまだ母の腹にいるとき不慮の死を遂げた。俊子は熊野病院へ入院していた兄十郎をよく見舞いに訪れた。お下屋敷(しもやしき)と言われた旧下級武士の長屋(ながや)に姉と共に住んでいた。春夫の詩「少年の日」のモデル。「つぶら瞳」とか、「黒瞳(くろひとみ)」とか、春夫は、大きな瞳をよく形容して表現している。「お伽噺(とぎばなし)の王女」とも呼んでいる。


戻る