中上作品「鳳仙花(ほうせんか)」にみる機関区のあった風景
写)新宮駅構内にあった転車台

新宮駅線路脇から南方の眺め、その見通しは、今も昔も、おそらく中上健次が少年時代に目にしたであろう風景とあまり変わらない。蒸気機関車がなくなり、機関車交換台が消えたほかは。母親の半世紀を綴(つづ)った「鳳仙花」にも、ときどき現れる風景。 機関車の方向転換をする転車台(てんしゃだい)が無くなるのは、新宮駅でSLが廃止になるのが昭和45年3月10日、この日から使用されなくなった。その後、構内に2、3年放置されたままになっていたようだが、やがて撤去された。近くでは串本駅にもあった。


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