王子神社(浜王子跡)
写)王子神社入口、右の碑が「日露戦役三十年記念碑」

九十九王子のひとつとされる「浜王子」、ここがその名残りをとどめるのではないかとされる。 明治時代に王子神社となり、明治12年の調査では、境内坪数78坪(43平方メートル)と記されているが、神社合祀によって阿須賀神社に合祀される。大正15年復興され、その後村社としての王子神社となる。祭神は稲飯命(いなひのみこと)と三毛入野命(みけいりのみこと)、いずれも神武東征神話の折の海に係わる神。 境内入口に「日露戦役三十年記念碑」が、昭和10年5月熊野地の日露戦争従軍者21名の「従軍会」の手で建てられ、中村三津八外32名の名が刻まれている。辻原登の小説「許されざる者」に登場する左官屋の坂正巳が、その一人であっても不思議ではない。


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