滝井孝作・「無限抱擁(むげんほうよう)」のモデル「松子」の墓
大浜共同墓地のなか、一本立っている松の木のほぼ真下に、「松子」の墓がある。滝井孝作の名作「無限抱擁」のモデルとなった、榎本林(えのもとりん)の墓である。正面右に、「静室恵林大姉」の戒名が記され、石碑右横に「大正十一年二月二日 榎本 林」とある。 滝井の年譜には、1919(大正8)年26歳の年の暮れに、紀伊新宮町榎本馬次郎の長女りん(24歳)と結婚とあり、1922(大正11)年には妻りん死去とあるから、2年余りの結婚生活だった。 滝井は、1961(昭和36)年文芸春秋社一行と瀞見物に来て新宮に一泊した際、「縁者の回向」をしてもらっている。菩提寺は清閑院(せいかんいん)。


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