今和次郎(こん・わじろう)の「川原町」調査
写)今和次郎の写真帖より

今和次郎(1894-1973)は、日本の民家研究から出発し、関東大震災をきっかけに、災害による人間の生活習慣の変化をみつめ、生活や風俗の「現在」の研究に着手、やがて「考現学(こうげんがく)」と呼ばれるようになる分野の開拓者になった。西村伊作とも交流があり、1920(大正9)年9月新宮を訪れ、熊野の民家にも注目、1922(大正11)年5月代表作『日本の民家』を刊行している。 東京・工学院大学図書館には、貴重な今和次郎関係の資料が保管されているが、伊作の案内で「川原町」を見学したものとみえ、その写真帖には「和歌山・新宮町・熊野川原の組み立て家屋の町」とメモされた写真も残されている。


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