料亭「林泉閣(りんせんかく)」と「太平洋(たいへいよう)」の酒蔵
写)林泉閣の座敷

明治から昭和期にかけて新宮を代表する料亭は、林泉閣と養老館(ようろうかん)。どちらも再開されて、いまに名残をとどめる。大王地にある「養老館」は、宮本忠治郎が起こしたもの。林泉閣は、徳川末期小西勘平と言う人が林屋という小料理屋を開いたのが始まり。熊野川に面し風光明媚(ふうこうめいび)で、夏は特別に納涼台が設けられ、夜景をほしいままにしていた時期もある。「林泉閣」にほぼ隣接するのが、熊野唯一の地酒「太平洋」の酒蔵。いまでは、「熊野三山」ほか多くの銘柄を醸造しているが、元祖は「太平洋」。太平洋艦隊の司令長官山本五十六も愛飲したと伝えられている。明治の中期、相筋にあった尾崎酒造部が現在の地に移ったもの。一部愛好家には、大平洋のラベルを称賛する者も居る。


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